何事も準備は必要。   姿勢制御できたうえでの運動制御

臨床での学び

 

麻痺は軽いのだが、左無視が顕著にある。  だけど、左側へ何か興味があるものがあると意識を向けることができる。

 

 

がしかし、意識が長続きしない。  

 

 

左無視の影響よりも注意の分配や散漫及び転動が主に目立っているのだろう。

 

 

 

たぶん失語の影響も少ないのだろう。意識がこちらに向いた瞬間に声をかけると

指示が伝わることが多い。

 

 

臨床上経験していたのは、身体の中心の構造体がちゃんと主目的である身体を支えて、

随意活動をするための安定性を保障し、自由な活動を行える影の役割をできるようにしてあげることをしてあげれば  ・・・

いわゆる姿勢制御ですね。

 

 

姿勢を制御することに注意の全般を持っていかれている場合が多く、その状態では

ただでさえ注意のキャパが少なく、その状態で随意活動をしようにも難しいし、

さらに注意が転動するときたら・・・

 

そりゃひっちゃかめっちゃかになります。

 

 

 

 

 

 

パソコンで言うと、メモリー数が極端に少なくなった上で、

たくさんの仕事量を求められるとある一定を過ぎると

フリーズしてしまう。

 

 

普段の自分のロッカーの話で言うと

ロッカーの中が整理されていなければ、ある物を探すのに毎回労力を要す。

たいした時間はかからないにしても精神的に、どこにあるのよ!!!

とストレスがかかる。

 

 

 

一生懸命になって、急いである場所に向かうことに必死になっていれば、

その先で次にどんなことがあって、どういう準備をしてよいかイメージできないまま突入してしまう。

 

 

 

そうまず、  姿勢を保持でき、重力下で安全に動けるという保障がある中でないと

余裕をもってある目的に意識を転化することは難しいということ。

 

 

 

歩こうと思えば、手引きであるけるのだけど、前方から抱え込むようにして、介助しなければ歩けず、

 

 

その方にとっては、注意が散漫になりながら、きょろきょろして気になるものに注意を向けたいのに、それも阻害している。まあ、きょきょろしたくてしているわけではないんだけど。少なからず、そこには、何かあるものに注意を向けたいという意図は何かしらあることは間違いない。

 

 

それ、本人のしたい探索活動を。じゃましてるだけじゃん。

その介助歩行は・・・

 

って自分で乗りつっこみし

 

 

まず、姿勢を制御できる前提条件をつくろうと

床上での動きに移る。

 

 

病棟での生活場面をちょろちょろ見ていると、実に

床の上でゴロゴロ動いているのを見かけ

へーそんなに動けるんだーと

多職種間でも話し合ってはいた。

 

 

 

そうかー本人の余裕のある所で、姿勢を制御できる範囲で、ご本人なりの運動制御をできる手伝いをしよう!!!と考える。

 

 

と思い、仰向けの状態 横向きの状態を見てみると

 

仰向けよりも横向きの方がご本人動きやすそうなそぶりが見える。

 

 

仰向けだときょろきょろしても頭頚部と胸椎が連動せず

ただあちらこちらに目が移り替わるだけの印象。

 

 

しかし、病棟ではあちらこちらに寝返りできている  

 

 

うーんなぜだ・・・??

 

 

中々話が通じづらい方なので、

 

 

最低限の安全を保障しながら、ご本人の注意散漫になりながらごそごそ

動いている場面を見て様子をみていると・・・

 

 

へーそうやって寝返りするんだー   と

 

 

両下肢をかなり屈曲位にしながら、股関節屈曲・腰部屈曲・胸部屈曲・頭頚部屈曲の

いわゆるグローバルなフレクションパターンで

上手に寝返りができている!!!

 

 

がしかし、寝返りしたら、側臥位で静止できず半伏臥位まで行きながら 

そこからは頭頚部を過剰に屈曲及び腰椎の伸展活動に切り替えながらそれ以上姿勢が

伏臥位に近づかないように頑張っているようだった。

 

 

止まっているとつらそうに見えるのに、注意散漫さに引っ張られながら、

もちゃもちゃ動いている方が本人が楽そうで、

 

その時には頭頚部と胸椎部が少し連動している所が見受けられ、

仰向けよりはご本人的には、動きやすいのは横向きの方が

目の動きと手の動きがリンクしやすくいつも横向きでいることが

多いのはこういうことかーと納得。

 

 

 

ここで自分がやらなければいけないのは、まず

仰向けから横向きに向かっていく時に横向きでちゃんと姿勢を落ち着かせられる

姿勢制御をこちらが少し補填してあげること。

 

 

本当なら、シークエンスを考えて仰向けの状態からどうやって楽に横向きに向かっていくか??を考えていくのかが王道なのかもしれないが、

 

 

 

この方は横向きでないと、自分の意思を意図につなげることが難しい方であったので、

横向きでの姿勢制御の補填を実施。

 

 

 

少しずつ落ち着いてきたら、頭頚部屈曲・胸椎伸展パターンを学習させてあげると

少し体幹が横向きの状態で、ぐらぐらしないで落ち着いていられることが発見。

 

 

その横向きの状態から、ご本人が注意があちらこちらに向かっていきながら、天井の方に注意が向いた時を狙って、仰向けになりましょうと

指示を入れると、  非習慣的な頭頚部屈曲・胸椎伸展パターンの状態で

仰向けになることができた。

 

そこからは反対向きの横向きにもスムーズに移行することができた。

 

 

 

最後に起き上がりをした後の座位姿勢でもいつもよりも姿勢制御が行いやすい状態が続いていたのか、車いすに乗り移るのも少し指示も入りやすい。

 

 

 

 

今回の発見は

〇運動制御をしていく前の姿勢制御の重要さ。

〇次の姿勢に移っていくためには、その次の姿勢になった状態の安全が保障されていると余裕をもって移動ができる  もちろん初期値も大事!!

〇注意の転動というものもうまく探索活動に結び付ける発想の転換

 

かな。